人材派遣会社は「何故」人を集められるのか?≪後編≫

今回のコラムは以前に公開した、

何故、派遣会社は人を集めることが出来るのか?

という記事の後編をお届けします。

※前編はこちらから

求人を専業とする派遣会社の求人ノウハウを是非ともご自社の求人活動に取り入れて頂きたいと思います。

1.求人の説明が丁寧で細かい

まずは、求人情報についてのお話から。

仕事の内容から職場環境、福利厚生までしっかりと読み手に伝わるような原稿作りを行ってください。

派遣会社として注力しているポイントを以下に説明していきます。

(1)仕事内容について

求人の募集において核となるがお仕事の内容について。

「そんなのしっかりやっているよ」

というお声も聞こえてきそうですが、

「何を」

「どこまで」

「どうやって進めていく」

のか、本当にしっかり説明できていますか?

例えば「事務のお仕事」。

事務と言えば大体わかるのではないか?と思われそうですが、事務のお仕事ほど会社によって内容や進め方が異なる仕事はありません。

自分達が想像する「事務の仕事」と、読み手(応募者)が想像する「事務の仕事」が大きく異なるという事を前提に、当社の事務はこういう仕事であると説明・紹介するというスタンスで募集原稿を書くと、よりイメージがつかみやすくなります。

また採用時のミスマッチ防止にもつながります。

(2)職場環境について

実は求人においてこれが最も重要だと私は考えます。

お仕事をする場所が、

・どんな場所で、
→外、中、暑い、寒い、広い、狭い等

・どんな人たちがいて、
→性別、年代、経験の有無

・どんな雰囲気なのか
→静か、にぎやか、モクモク、和気あいあい等

を募集原稿にてしっかりと説明しましょう。

求人に申し込むまでの応募者の心の動きを、

①職種名、勤務地と条件(給料等)で求人をフック

②仕事内容の詳細をチェック

③職場環境をチェックし安心・納得したら申し込み

と想定した場合、最後の決め手は③の職場環境となります。

思うに、①、②を満たしている求人は多いのですが、③を満たしている求人はまだまだ多くありません。

ここでの注意点は、職場の環境を自分達で評価しない、

「プラス/マイナス」を決めつけないことです。

例えば、屋外仕事で寡黙な40代~50代の方が仕事をしているという環境の場合、それを嫌がる人もいれば、逆に「そういう場所を探していた」という人も必ずいるはずですし、そういう方にだけ手を挙げてもらえばよいのです。

また、環境についての情報を惜しげもなく公開することはある種に誠実さでもあり、読み手に、「親切な会社だなぁ」という印象を持ってもらうこともできますので、オススメです。

(3)福利厚生について

福利厚生とは、給与以外の待遇の事を意味します。

例えば、

・交通費
・社会保険/厚生年金
・雇用保険
・年次有給休暇
・制服の貸与
・食事補助
・その他

となりますが、これを上記の様にただ書き連ねるのではなく少し踏み込んで紹介するようにしましょう。

【少し踏み込んだ福利厚生の書き方】

・交通費
※実費支給、車の場合20円/kmで計算

・社会保険/厚生年金
※週20時間(30時間)以上で加入

・制服の貸与
※上着、ズボン、靴まで全て支給
※ご本人の負担はなし

・食事補助
※1食150円でまかないの利用が可能

疑問を残す書き方はあまり宜しくありません。

例えば交通費を「規定あり」とだけした場合、規定を勝手に想像されて「大して支給されない」と判断される可能性があります。

一方でこの「規定」を掘り下げるととっても親切に。

制服についても同様「ズボン貸与」と書けば、「制服はズボンなんだ」という情報も付加して伝える事もできます。

また実はに人気なのは「まかない」。

当社のお客様で「まかない無料」としたところ、応募が増えたというお話もあります。

また特別目立った福利厚生でなくても、しっかり紹介することで会社側の姿勢を伝えることができますので、実践はマストであると言えます。

以上、公開する求人情報のポイントでした。

続いては、ふり幅の広い求人の訴求についてお話していきます。

2.求人の訴求が幅広い

これは、お金をかけて様々な求人媒体を使用しているということではなく、有料、無料を織り交ぜて使えるものは全て使うということを意味しています。

一言で言えば、「網を広げる」ということです。

(1)ハローワークは基本中の基本

「ハローワークに出してもいい人しか来ない」

という話をよく聞きますし、正直、実感することもあります。

しかし一方で、忘れたころに応募が来ることもあることは留意すべきです。

なにせ無料です。採れればコスパは最強です。

かかるのはちょっとの手間だけです。

過度な期待をせずに、しかし、

「一発逆転ホームランの可能性もある」

と割り切って考えて、

「一応出しておく」というスタンスを徹底しましょう。

注意点を申し上げると、

ハローワークの求人原稿は規定が多く、仕事内容はもちろん、この記事の前半で紹介したような「職場環境」を詳しく説明することはできませんので、申込みの電話の段階や面接時にお伝えするという配慮が必要となります。

(2)媒体は幅広く活用する

求人において、「どの媒体を使用すればよいのか?」というご質問をいただくことがあります。

要するに、「何を使えば一番応募が来るのか?」ということなのですが、正直「わからない」というのが本音です(スミマセン)。

派遣会社である当社がおすすめしたい媒体利用の方法は、無料媒体を中心に利用し、急ぎ・最重要の案件のみ有料媒体を使用するという方法です。

①無料媒体の利用について

本当にありがたいことに、無料の求人媒体が力をつけてきてくれています。

お名前上げますと、

・イン〇ィード
・求人〇ックス
・スタ〇バイ
・エ〇ゲージ等

いずも採用に力を発揮してくれる便利なツールでしかも無料です。
※有料オプションもあり

上記の全て+ハローワークに求人を掲載することを「最低限」とします。初回の登録や求人原稿の作成、また応募管理の方法等は各サービスにより異なるため、最初は大変ですが、慣れてしまえば簡単です。

何せ無料です。

大切な事なのでもう一度申し上げます。

全て無料のサービスです。

ならばつべこべ言わずに(強めでスミマセン)やるべきです。

②有料媒体の利用について

「どこの媒体を使うべきか?」

無料なら全てと言えて簡単なのですが、有料だと判断が難しいと思います。

私はもう相性や使い勝手でよいかなと思っています。

効果や実績はあまり気にする必要はないと考えます。

その時にたまたま使っていたのがAという媒体なだけで、代わりにBを使っていたらどうなっていたのかは誰にもわかりません。

また仮に、まったく同じお仕事をA~Eの5つの媒体に掲載し、結果、媒体Aからの応募が一番多かったとしても、タイミングということもありますので、

「媒体としてAが優秀」と考えるのも筋が悪いかと。

それよりもご自社での使い勝手を重視しましょう。

せっかくお金を払うんですから、楽に効率的に使える媒体が一番です。

実績についても、広告会社が出してくる実績よりも、自社での使用・効果の実績をチェックし、自社との相性が良い媒体を選ぶのが良いと思います。

何ともいい加減な表現で申し訳ないのですが、逆に言えば、当社はそれくらい

有料媒体を使用していない

ということです。もっと言えば、

無料媒体をフル活用し、求人活動を成立させているという事でもあるのです。

 

いかがでしたでしょうか?

今回は、

人材派遣会社は「何故」人を集められるのか?≪後編≫

と題して、求人のヒントをご紹介させていただきました。

かけのは「お金」ではなく、

「手間」と「気遣い」です。

企業と言っても中身は人間。人が人を探すという求人活動のポイントは結局は

「手間」と「気遣い」

につきるのだと私は考えますし、またそうであるべきと強く思っています。

ご閲読、ありがとうございました。

ABOUTこの記事をかいた人

1974年7月3日生まれ、中央大学文学部英米文学科卒。千葉県内でパート専門の人材派遣を展開するワークパワー株式会社の営業兼、代表取締役。一児(娘)の父。趣味は旧車バイク乗り・いじり、ドラム、食べ歩き。