派遣の依頼は「誰が頼む」かも重要

派遣の依頼について

「人材派遣を依頼したい」と思った時に、「誰が依頼をするか?」まで考え事がありますか?

「誰が頼んだって同じじゃないの?」

というお声も聞こえてきそうですが、派遣のオーダーや相談をしかるべき人が行わないことで起こるミスマッチも多々存在します。

今回のコラムでは、あまり注目はされてはいないものの、実は大変重要な派遣の依頼者について、現役の派遣会社の社員の立場から解説致します。

1.派遣の依頼者として不向きな方

まずは、「派遣を頼んではいけない方」(と書くと少し強烈ですが)、依頼者として不向きな方について。

それは、端的には仕事や現場をしっかり把握していない方。

さらに言えば、その上、決済権だけは持っている方。

ハッキリ言ってしまえば、社長、役員、時には部長等の管理者側の方です。

※「支店で派遣を使いたい」と考える本社総務部の様に、現場との距離がある場合も同様です。

人材不足に頭を悩まし、対策を講じる方の多くはいわゆる管理者側の方で、そのお立場ゆえ、派遣スタッフが担当するような現場の業務や職場環境等について熟知していないことがほとんど。

マネジメントが仕事の役職者ですので、仕方がないとはいえ、派遣の依頼には現場レベルでの詳細な情報が必要となりますので、この一点において現場を熟知していない管理者側の方が派遣のオーダーをかけるのは「不向き」であると言えます。

※現場を精緻なレベルにまで理解している社長さんなどの管理者なら、全く問題はありません。

2.派遣の依頼は「仕事と現場を知る人」に

では人材派遣会社への依頼や相談、問い合わせの適任者は誰か?それは一重に、派遣スタッフに任せる仕事と働く現場(環境)を熟知する人です。

派遣の法律やルールについては派遣会社がしっかり案内をしてくれますし、この段階ではそこまで熟知している必要はありません。それよりも、派遣スタッフに実際に担当してほしいと考えている業務や職場について等、自社の仕事と環境について、しっかりと説明ができる方であることは何よりも重要です。

これを答えられる方が派遣会社に問い合わせを

派遣会社に人材派遣のオーダー(依頼・問い合わせ)を行うと、派遣会社からは必ず以下の質問を受けます。よって、これにスラスラと回答できる方こそが、派遣の依頼の適任者と言えるでしょう。

≪派遣会社から必ず聞かれること≫

①具体的な仕事内容

②必要な経験、スキル

③勤務時間、日数、曜日

①の仕事内容がしっかり説明が出来れば、②は流れで説明ができるほか、派遣会社から「それなら、こういう経験がある方もいいかもしれませんね」と提案を受けることも可能です。

また③については、仕事の性質上必ず勤務してほしい日数や曜日、時間(コアタイム)等があれば、遠慮せず、ご希望のまま派遣会社に伝えましょう。

こう書くと、そこまで難しいことではないことがお分かりいただけると思います。また職場環境や社内のルール、「こんな人がいい」といった様なリクエストについても上記に紐づけてどんどんお話していくことも可能となり、派遣の依頼や相談もスムーズに進んでいきます。

具体的にはどんな人?

当社が、派遣の依頼を受けて話がスムーズに進むと感じる相手は、実際に派遣社員の勤務が始まった時に、仕事の指示をする「指揮命令者様」です。

どんな仕事をどんな風に進めていくのか?またどんな人なら問題なく仕事をこなしていけるのか?そして仕事のタイムスケジュールを、日・週・月のレベルで理解しており、さらに、現在勤務している従業員さんの個性や相性などを掴んでいる方が多いため、派遣オーダーの受付が極めてスムーズ、もっといえば楽に進めていくことができます。

現場の詳細情報を持っており、かつ、会社としての考え方や外部サービスを利用する際の予算感等を持っていることを考えれば、部長さんやリーダーさんあたりの現場の長が適任かと考えます。

3.現場を知らない方が派遣を頼むと・・・

反対に、現場に精通していない方からの依頼では上記の様には進みません。派遣会社からの質問に、都度都度確認しながら時間をかけて対応して下さればまだ良い方で、多くは自らの感覚値で求める人材についてお話をされてしまうため、次の様な問題が良く発生します。

経験・スキルのミスマッチ

人選の条件がザックリ過ぎてユルくなった結果、「業務レベルに達していない低スキルの人材が派遣されてしまう」というミスマッチは当然として、もう一点、

「そこまでは必要ない」というハイスペックの人材が高額で派遣されてしまうという問題も発生します。定食屋にホテルマンが超高額で派遣されてしまうと言えばわかりやすいでしょうか?

現場としては、「そこまでの経験は不要」という感覚が依頼者(=管理者側)に伝わっていない結果、「どうせ使うなら素晴らしい経験がある人の方が」という気持ちから、オーバースペックという事態を巻き起こしてしまうというわけです。

また、必要以上の経験・スキルを求める結果、派遣会社の人選に時間がかかり、派遣までに時間がかかってしまうという問題も発生してしまいます。

費用的には「安くない」人材派遣の利用には、とかく管理者の方が前に出る傾向があります。会社のお金をかけて使うサービスですから当然の事ではありますが、管理者様が派遣のオーダーを行う際には、現場責任者(指揮命令者)に事前の確認と聞き取りを行う事を強くお勧めします。

4.効果的な派遣の依頼のために

派遣の依頼は「現場を熟知する人間が」とわかってはいても、例えば外部サービスの利用において現場の人間を関わらせたことがなく、または関わらせることができない事情があり、管理者が一任しているというケースも当然あると考えます。

派遣の依頼に管理者様が前面にでる必要がある場合には、以下の方法で現場の情報と意見を派遣のオーダーに反映させてください。

現場への事前の聞き取り

現場の長、派遣スタッフに業務の指示をする自社のスタッフに、「会社として人材派遣の利用を検討していること」と伝え、前述した、≪派遣会社から必ず聞かれること≫について聞き取りを行って下さい。

≪派遣会社から必ず聞かれること≫

①具体的な仕事内容

②必要な経験、スキル

③勤務時間、日数、曜日

※「支店で派遣を使いたい」と考えている本社の場合等、現場と依頼者との距離がある場合も同様。

これが出来ない場合、例えば「監視者が忙しく丁寧な聞き取りができない」「現場が管理者側に委縮して何も言えなくなってしまう」等の場合には次の手段として、派遣会社に条件確認のための打ち合わせを依頼し、その場に現場の人間を参加をさせてください。

派遣利用の第一歩目とも言える、この会社との打ち合わせに現場スタッフを参加させることは、正確な情報の伝達、開示という本来の目的に加え、派遣利用における当事者意識の向上につながるため、今後の人材の管理や指導においても極めて有効です。

5.派遣の依頼は会社一体で行う

「派遣の依頼を行うのは誰が適任か?」というテーマでお届けした今回のコラム。

派遣の依頼自体は現場を熟知した人間を中心に据えるのがポイントですが、派遣会社から今後提示される見積額判断や、提案スタッフの採否等々、会社としてサービスの利用を管理する管理者様の出番も不可欠です。

効率的な派遣の依頼と、効果的な利用には、現場と管理者がそれぞれの役割をしっかりと意識しながら協力し合うことが不可欠です。この連携が上手く言っている企業様への派遣は早く決まる他、スタッフの定着率も高いという事実を最後にお伝えしておきます。

ABOUTこの記事をかいた人

1974年7月3日生まれ、中央大学文学部英米文学科卒。千葉県内で女性専門、パート中心の人材派遣を展開するワークパワー株式会社の営業兼、代表取締役。一児(娘)の父。趣味は旧車バイク乗り・いじり、ドラム、食べ歩き。