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パートの有給休暇について


週数日、1日4~5時間という働き方でも、つまり、

「パート」も有給休暇を取得することは可能です。

今回は「パートで働いてるけどそういえば・・・」、「私の有給休暇どうなってるの?」と気になりだすと止まらない、パートと有給休暇についてお話致します。

キーワードは、「身を守りながら」、「無理強いしない」の2つです。

1.パートも有給休暇は当然取れます!

パートの有給給は、労働基準法でも定められており、結論からいえばパートといえども(とあえて言わせて頂きます)有給休暇は発生します。

但し、取得日数はフルタイムで働く社員、アルバイトさん等と比べ、発生する日数が少々異なります。

【労働基準法39条 労基規24条の3より】
<フルタイムで働く方の場合>
=1週間で30時間以上の勤務:半年で10日間の有給休暇
<パートタイムで働く方の場合>
=1週間で30時間未満の勤務:勤務日数により異なる:最大7日~最低1日の間の有給休暇

上記のルールで行きますと、例え週2日の勤務の方が、6ヶ月間継続勤務をしたとしても・・

週に2日だけ勤務 →  1ヶ月で8日勤務  →  6ヶ月で48日勤務

たった1日ではありますが有給休暇は取得できるわけです。

そして「時間」についてですが、有給休暇として支給される時間は算定対象期間内の労働時間の平均のため一概に何とも言えませんが、上記の場合は6ヶ月間、遅刻も残業もなく「カッキリ6時間」勤務していたとするならば、有給休暇の時間数も6時間となります。

細かい日数や時間数の計算はともかく、この様に例え週2日の勤務であったとしても6ヶ月以上継続勤務をしている場合は社員、アルバイト、契約社員、パート等の勤務形態の別を問わず、有給休暇は発生します。

繰り返します。

例え週2日の勤務でも、有給は発生休暇します。まずは「パートも有給出るんだぁ」という事を大前提としておさえておいてください。

2.なぜ取り辛い?パートの有給休暇

社員が当たり前のように取る有給休暇。派遣社員もしっかりと取得している有給休暇を何故パートが取れないのか?理由は大きく2つあると私は思います。

2-1.有給休暇が取れる事を知らない、重視していない

要するに、権利者である当人に有給休暇の知識がない(スミマセン、他意はありません)。有給休暇のルールを知らないということに起因しているケースが多いのも現実の一つ。「えっ?パートだけど有給休暇ってあるの?」なんて声、周りで聞いた事ありますよね?

有給休暇に関する正しい知識は、自分でしっかり調査・学習するか、あるいは会社がパートも積極的に有給休暇を取得するよう働きかけない限り、知識はある意味なくて当然。これはキャリア教育が未熟な日本という国全体の問題かもしれませんね。

また有給休暇に関する一定の知識があったとしても、それを重視するか?つまり仕事探しの必須条件にするかと言えばそうでもなく、仕事探しの段階で有給休暇の有無をあまり意識していない、あるいは重視していないという点も一つ考えるべきところだと思います。

お仕事を探していく上で設定する条件は「給与」、「仕事内容」、「勤務時間・曜日」、「通勤距離」が中心。忙しい毎日の家事・育児と両立できる仕事って中々見つからないもの。条件は拘りだしていけばきりがない中で、それでもなんとか妥協点を見つけて仕事をスタートする。

という現実を考えれば、仕事探しに有給休暇を含めた「福利厚生の充実」を加えることで自ら就業へのハードルを上げることに繋がってしまうということにも・・・と考えて当然。自然、有給休暇への意識は低くなります。

もちろん有給休暇は本来支給されて当然ですので、「有給休暇があるか、取れるか」を仕事探しの条件にするのもおかしな話なのですが、残念ながら会社側がパートの有給休暇の取得に積極的でないところが多い為、こうした考え方がまかり通ってしまうのが現実と言わざる得ないでしょう。

結果、「働いてきちんとお給料がでれば、有給休暇は別に・・・」という考え方にどうしてもなってしまうのです。

2-2.会社側も知らない、使わせたくない

「パートに有給休暇があることを知らない」というのは残念ながら企業側にも当てはまるケースもあります。これもやはり国全体の・・・と嘆いていても始まりませんが、とにかく会社として福利厚生の学習はして頂きたいものです。

さて、「知らない」というより問題なのが多くの企業が「パートに有給休暇を出したがらない」点です。

そもそも企業は人件費の抑制の為にパートを採用します。

自社の仕事が密集するコアタイムに時間を併せて勤務出来るパートさんは時給はそこまで高くないものの、都合優先でお仕事が可能ですので、双方にメリットがあります。

企業と人が「都合」をというメリットで繋がっているのがパートタイムの本質であると私は考えておりますが、会社の都合に併せて勤務時間を併せるフルタイムスタッフと比べ、時間の都合が利くパートスタッフはすでにメリットがある為、

「ならばそれでよい」と、もっといえば、「それ以上の優遇措置は必要ない」と考えがちな企業が多いのではないでしょうか?

平たく言えば、「好きな時間で働けるよう取り計らっているのだから、それ以上の贅沢は・・・」という事。

言いすぎかもしれませんが、企業の本音はついていると思います。しかし、ルールはルール。前述の通りパートスタッフの有給休暇は法律に定義されたれっきとしたルールですので、どんな理由も理屈も通用はしません。

意識の問題はあるかと思いますが、日本全体の企業にこのルールが周知徹底される事を望みます。

上記からパートが有給休暇を取りづらい理由は、スタッフ・企業の知識と意識の問題が根底にあると言ってよいでしょう。

3.有給休暇確認の注意点

3-1.まずは「やわらかく」打診

『出すのがルールならさっさと出せ!』といいたい気持ちは重々承知の上でお話ししますが、そこはやはりお金がかかる事。『あ、そうですか』というわけにも行かないところが悩ましいわけです。

企業とて、一生懸命働くスタッフさんには有給休暇を出したいとはやまやま。しかし今までかかっていなかった費用がかかるとなれば、そう簡単にはいきません。とくに沢山のパートさんが働く大きな企業ほど対象が増える分だけ対応が難しい。順番にってわけにもいきませんからね。

勤務先に有給休暇の相談をする時にはまずはこのような相手の状況も頭に入れておいて下さい。

その上で会社側には柔らかく打診。
『あのう、私って有給休暇使えるんでしょうか?』と聞いてみて下さい。

注意点は2つ。まず、『有給休暇あるんでしょうか?』とは聞かないことです。何故ならあるのは間違いのない事実なわけで問題は体制として、また業務状況として使えるのかどうかだからです。

ここでうっかり『ありますか?』などと聞いてしまうと、相手に『はは〜ん、何も知らないなぁ』と舐められてしまい、『当社にはありません』とかわされてしまう必死です。

あるのは当然で使えるのかどうかを聞いているのだという点を相手にアピールすることで舐められることも、かわされることもなく、可否と否の場合の理由も確認できると考えます。

3-2.決して熱くならない事

そして2つ目の注意点は、熱くならないこと。
じつはここが最大のポイントです。有給休暇使用の可否の確認はあくまで事実確認として行うこと。

この手の話は自分が『損をしているのでは?』という感覚に陥りがちでついつい熱くなってしまうのが怖いところ。

感情が変なところに入ってしまうと、懸命に働く自分の権利が守られていないのは何故か?とか、そんな会社はおかしい、ブラックだとか最初の『有給休暇取れるかな?』という疑問の解決からお話が大きく逸脱し、気がつけば会社側と果たし合いのような争いに発展してしまう可能性すらあります。

有給休暇の取得が問題化して裁判にまで至ったケースのほとんどが『労働者の勝ち』。

まぁルールですのでこの結果に驚くべき点など何もありませんが、そこまでする意味があるんでしょうか?私はこの戦いの果てに幸せになった人を知りません。
決して自らの権利の主張の場としないよう注意が必要です。

繰り返しますが、有給休暇は取れて当然の労働者の権利です。法律で定められたルールですからね。しかしそれを許さぬ厳しい現実がある事も繰り返しておきます。

皆様が思っているほど会社なんて物は強いものではありません。

大企業と呼ばれる企業だって景気という風向き一つでスグに吹き飛んじゃうんですから。
そんな企業の台所事情を無視して、仮にも日頃お世話になっている会社に『権利、権利』と騒ぎ立てるのはさていかがなものかと私は思うのです。

会社に有給休暇の話をする時には落ち着いてクールに、淡々と行うようにして下さい。『ムカッ』ときても深呼吸。その場は『あ、そうですか。失礼しま〜す』なんてサラッと終わらせてしまい次の対策を考えるほうが賢明です。

4.「割り切る」か「別を探す」か

4-1.許せなければ転職もあり

有給休暇という権利を主張しすぎてあるべきはずの居場所を失うなんて本末転倒もいいところです。
ですので、現在の勤務先に有給休暇の使用可否の確認をして可ならその使い方の確認を、否なら深追いはせずにそのままで。
これでよいかなと思います。

そしてどうしても会社の対応に納得がいかない方は、有給休暇の使用可を前提とした次の職場探しを始めることをお勧め致します。

今の会社で有給有給が取れずに他を探したして、同じような条件で働ける仕事があるのか?具体的に探し始めてしまいましょう。
使用可を大前提として、内容は?時給は?シフトは?通勤時間は?全て現状以上なら即移籍でOKです。

4-2.割り切ることは負けではない

しかし今の職場の条件を上回る職場がない場合、有給休暇は使えないとしても問題はそこだけでそれ以外はクリアしているならば、
ある意味、それはそれで『おいしい仕事』であるとは考えられませんか?

この際、やるべきことをやっていない会社の事等横において、あくまで基準を自分において考えて頂きたいのです。そもそも今の会社に入る際、有給休暇の有無など気にしていましたか?きっとそれ以外の条件を重視していましたよね?それが叶っている今にそんなに不満がありますか?

もしそうでなければ、それはそれで割り切ってしまうのも一つの方法なのではないかと思います。
今の会社の制度が充実していないのはその会社の問題であり課題です。

被害者とも言えるパートさんが立場を悪くしてまで何故その会社の問題と向き合わなければならないのでしょうか?そんなことあなたが身を挺して『してさしあげる』必要などどこにもありません。そう考えて割り切って働くことは、「泣き寝入り」でも何でありませんからね。

たかが有給休暇と割り切って働けるならその方がベター。

されど有給休暇と割り切れないなら別の会社へ。

このくらい割り切って考えてしまった方が気持ちも楽になります。

少なくとも今の会社の有給休暇問題に深く首を突っ込むことだけはやめておきましょう。労多くして益少なしです。

5.クールに、現実的に考えましょう

さて今回はパートの有給休暇についてお話してきました。

私がこの話題について論じる際に大切しているのが現実論です。

有給休暇を『権利』と重く考えすぎて、騒いだところで何か変わりますか?響かない相手に熱く語ったところで、『うるさい奴だ』、『面倒な人だ』と疎まれるのが関の山。その主張は受け入れられることなく、熱さも理解されることなく、虚しく響くか、感情論に発展するかがせいぜい。

しかしそんな現実を無視して『あなたは間違っていない。堂々としていればいい』というアドバイスをよく見かけます。周囲や会社に疎まれながら堂々と出来る人間などどの位いるんでしょう。少なくとも私にはできません。

有給休暇の為に今の立場をかけてあなたは戦えますか?

そしてそれはそれ程大切なことなのですか?と

権利や感情にとらわれると冷静な計算ができなくなります。
ここは一つクールに、そして現実的にいきましょう。

割り切るか、移るか。

権利主張で立場を失うような争いにだけは発展させないように、あるいは加わらないようにご注意ください。

たかが、有給休暇です。


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尾形 豪
1974年7月3日生まれ、中央大学文学部英米文学科卒。千葉県内でパート専門の人材派遣を展開するワークパワー株式会社の営業兼、代表取締役。一児(娘)の父。趣味は旧車バイク乗り・いじり、ドラム、食べ歩き。