今回は、パートという働き方を問わず、一人で働かない限りは必ずついて回る、「人間関係」。
働く以上、大なり小なり存在するこの
人間関係についてパート視点でお話させて頂きます。
ズバリ、人間関係は「考え方一つ」。今の悩みの解決にも聞く「今日からできる」人間関係の改善策についてもご案内致します。
1.人間関係は全ジャンル共通の悩み
当社の人材派遣・紹介サービスの登録者、またインターネットによる各種の調査・アンケートの結果をまとめますと、正社員、アルバイト、パートを問わず概ね退職理由ランキングの上位は「人間関係」が占めています。
社員の場合、「給料」や「残業の過多」等が問題になると思いきや、「上司と折り合いがつかない」、「社内で浮いてしまっている」等、人間関係をベースにした退職理由が中心。一生を預ける会社での人間関係がうまくいかないと確かに精神的に「くる」ものがあると思います。
またパートの場合にはもともとお給料や勤務する時間等の条件が揃ってスタートしていますので、こういった条件面で退職する事はまれ。
「給料が支払われなかった」、「残業が続いて」というお悩みも確かに存在しますが、やはり多いのは、「今いるパートの方のうまくいかない」、「パート先の人間関係が・・・」といったものがやはり多数。
「自分は一所懸命働いているのに、皆がサボっている為、やる気がうせた」という理由も、仲間意識の希薄、また上司の管理不行き届きという面からみれば、広義に「人間関係」といってもよいのではないかと思います。
調査を進めていくと、人間関係に関する悩みは職場に限った事ではない事が分かります。
学校や、サークル、地域のコミュニティ等、人が集まるところにはすべからく「人間関係」に関する悩みが存在しており、ジャンルを問わず悩みの上位を占めるのは「人間関係」の4文字。パートや仕事、職場に限らず、皆人間関係に悩まされているというわけです。
人しかいない世の中。価値観が多様化する世の中で複数人の人間が集まれば何らかのトラブルや問題、心配事が発生するのは、必然なのかも知れませんね。
2.人間関係の良さそうな職場を見抜けるか?
さて、パートでその会社に入って、働いてみるまでは分からないのが人間関係。しかし、可能であるならば、就業前にその会社の人間関係を確認したい!そう思われる方は少なくないと思います。
面接のNG質問として、「職場の人間関係は良いですか?」というものがありますが、私はこの質問、社員はダメでもパートなら聞いても良いかと思います。気になる方はどうぞ思い切って聞いてみちゃって下さい。スッキリはすると思います。
※面接の質問に関するコラムはこちらから
パート面接での質問の仕方
しかし、パートの面接で、「人間関係はどうですか?」と聞いて、パート先の担当から「当社の人間関係はいいですよ」と言われたとしても、さらには、「パートさんはみんな仲良しですよ」といわれても、素直に信じる事が出来ますか?
結局、人間関係の善し悪しは主観によるもの。Aさんが良いと思っている事が必ずしもBさんが良いという保証等ないわけですから、「人間関係が良い」という発言自体が根拠がないものと言えます。
さらに言えばその根拠がないものを確認しようとする質問自体に意味があるのでしょうか?
では、この手の質問はまったく無駄か?と言われればそんな事はありません。
人間関係の善し悪しはともかく、「職場モラルの状態」の確認には繋げる事ができるかと考えます。
どういうことか?
パート先の採用担当が言う「人間関係が良い」というのは、休憩室等ではない職場で、つまり皆が働くリアルな現場で職員同士の連携が問題なく取れている、はたから見てパートとして、いや、勤務者として問題なく見える環境であるという事を意味しているのだと考えます。
「パートさん同士の中がどれほど仲良くて」・・・なんて事は当人同士しか分かるわけがありません。会社として見る人間関係の善し悪しはあくまで会社にいる職員としてのモラルが保たれ、業務に支障をきたしていないという事。
こう考えるとパートの面接を行う採用担当は、職場で特別な問題がない場合、また勤務モラルが逸脱していなければ「人間関係が良い」と面接で告げるのではないでしょうか?
前述の通り、入社前の段階でパート先の人間関係の状態を掴むのは正直不可能です。しかし、職場としてのモラルの状態が健全かどうかの確認を取る事は出来ます。求めても答えや保証がない人間関係は入社後、パートとして働き始めてからしか確認は出来ませんが職場のモラル状態を確認できれば、そこで働く人間やそれが作り出す形のない人間関係よりも、勤務先として信用に足るポイントを見つける事ができると思うですが、いかがでしょうか?
<注意事項>
面接で、「お宅の職場モラルはどうなっていますか?」なんと聞いてしまうとパート先の企業には「失礼な人だ」と思われてしまいますので、ちょっと変化球。
「職場のルールや規律がしっかりした企業で一生懸命働きたいです」
と自己PRに変えてみましょう。
こうすれば、モラルが高い企業は喜んで採用をしますし、反対にモラルが低い企業ならビビって採用を見送ります。不採用?いいじゃあないですか。モラルが低い職場などであなたが働く必要などどこにもありませんよ!
3.人間関係を完全する2つの方法
さて、ここからは人間関係で悩んでいる方向けの内容です。現在のパート先で人間関係に悩んでいる方に初めて頂きたい、改善策を3つご提案致します。在職中の方はもちろんですが、これからパートに出る方も是非とも参考にしてみてください。
3-1.挨拶をする
「何だぁ、そんなことかぁ」と言われてしまいそうですが、挨拶です。もうできている方は読み飛ばして下さい。しかし、これができていない方は、是非とも明日からスグに行ってください。
挨拶は人間の、いえ人間関係の基本です。コミュニケーションの橋渡し的役割を果たす挨拶なくしては何事も始まりません。「急に挨拶してきて何?」と思われるかも知れませんが、そんな事は無視して結構。
どうしても勇気が出ない方は、「相手の為ではなく、自分の為にやるんだ」と考えて下さい。そして出来なかった挨拶ができたら、自分にご褒美をあげるくらいの気持ちでいて下さい。
もちろん自分からして下さい。「相手がしないのに何で私が・・・」って相手もきっと思っていますよ。同じレベルで考えては話は進展しません。懐の大きいところで、一つ歩み寄ってあげて下さい。(という風に思ってOK)
たかが挨拶、されど挨拶。
嘘のような話かもしれませんが、この「挨拶作戦」で人間関係が改善させた事例を私は沢山持っています。深く考えないでください。「ただ」して下さい。「おはようございます」、「お疲れ様です」、「いってらっしゃい」、「おかえりなさい」。
そこから踏み込んで仲良くするとか、言葉を続けるとかは一切考えなくてOKです。ただただ、しっかりと挨拶すれば、そこから何かが変わる可能性が出てきます。
だって、挨拶しなかった自分がもう変わり始めているじゃあないですか!
3-2.好き、嫌いをいったん横に置く
職場の仲間は友達ではありません。したがって無理に好きになる必要などありません。
嫌いな人は嫌い、それでいいじゃありませんか。人を無理に好きになる必要なんてありませんし、それを職場で行う事自体に正直意味などないと私は思うのです。
働き手不足の世の中、企業には様々な性別、年齢、経験、出自の方が勤務いる故に、職場には当然多様な価値観が溢れています。「仕事」という唯一にして最大のベクトル以外に共通項や価値観を相手に求めてもうまくいかないのは当然なのです。
好き・嫌いで見ると失敗する事が多く、人間的な価値観で相手を見てしまうと環境故にズレが生じ、傷ついてしまうことも多々。ならはいっそのことそこは見ない方が良いという事です。
好き・嫌いはいったん横に置いて、「仕事」に対する気持ちであり姿勢、ここを見て下さい。個人を見るのではなく、またその方の人間的な部分を見るのでもなく。その方の仕事への取り組み方や姿勢を見る事です。
人間的に合わない方でも一所懸命お仕事をしていたら、また特別すごい事はできなくてもまじめに仕事をしていたら素直に尊敬出来ると思います。
それを認めずただ「好きだ嫌いだ」で人間を判断してしまっていては、互いで成り立つ人間関係の中でどちらがそれを崩してしまっているのか・・・となってしまいますからね。
人間としてのその方ではなく、職業人としてのその方を見る癖をつけて頂きたいと思います。
もし仕事に対する「あり方」に問題があるならば、しっかりと上司に報告し改善を促してもらえばOK!
好き、嫌いじゃ解決しないこともこれなら合法的に改善していくことが可能ですよね。
4.行雲流水、諸行無情な人間関係
「関係」という以上、特定の個人との人間関係の半分は自分が担っています。また相手が特定の個人でない場合にもその場を形成する自分が担う要素は確実に存在するはずです。片方、あるいは幾分かの原因が自分にある人間同士の関係において重要な事は、相手に併せて自分を変える事。
昔から言われていることですが、「他人と過去は変えられません」。変えられるのは、変わっていけるのはいつだって、自分だけなのです。
職場にいる嫌いな人、イヤなあいつに自分を併せるなんて・・・と思われるかも知れませんが、自分が変わらない限りは何も変わりません。憂鬱な気分でパートに向かうかどうかの原因の半分は自分にあると謙虚に考えて動き出してみてはどうでしょうか?
「人間関係」の善し悪しは個人の価値観が源泉にあるので、人によって異なるもの。Aさんが良いと言ってもBさんにも良いとは限りません。
また仮に人間関係が良いと入ったパート先もメンバーが変われば環境も変わりますし、もっといえば、それが「良い」と思っていた自分さえも時間や生活環境の変化と共に変わっていくのです。
まさに行雲流水、諸行無常。確実なものなどないと言われると不安になってしまう一方で、そこには希望も存在します。
昔は良いと思っていた事があんまり・・・と思う一方で
許せなかった事がいつしか許せるように・・・となったら素敵ですよね。
流動的な自分が片翼を担う人間同士の関係には答えも保証もありません。でもだからこそ、自分自身のあり方や動き方が環境を形作るのだと考えて積極的アクションに起こして頂きたいと思います。
<まとめ>
・人間関係ではみんな悩んでいる
・相手を「個人」ではなく、「職業人」としてみる
・挨拶する、自ら動く
・行雲流水、諸行無常と割り切る
2.人間関係の良さそうな職場を見抜けるか?
3.人間関係を完全する2つの方法
4.行雲流水、諸行無情な人間関係