「派遣社員 使えない」の対策

人材派遣会社として誠に寂しいことですが、「派遣社員 使えない」、「使えない派遣社員 特徴」といった検索キーワードをネットでよく目にします。

期待通りの働きをしてくれない。それどころか全然仕事ができない。そのくせ態度が大くて・・・ご不満の多くはこの様なところだと思うのですが、これって派遣社員だけの問題なのでしょうか?

今回は、「使えない派遣社員」について解説。「使えない」のではなく、「使えていない」のでは?

1.「派遣が使えない」の意味の半分

「派遣が使えない」と言った中傷の多くは、期待通りの仕事と態度を取ってくれないことを不満に感じる派遣先の社員さん、またはパートさん達から寄せられることがほとんど。

「高いお金を払ってきてもらっているのに」と社員さん。

「私たちより時給が高いのに」とパートさん。

コストが高いのも、時給が高いのも期待の裏返しと考えればうなずけるところもあります。また、派遣社員に限らず、目を覆うくらい勤怠が悪い方も世の中には存在すると思います。

しかし、ここは謙虚に考えましょう。

「派遣社員は使えない」と断じる前に、しっかりその方にお仕事や社内での態度について指導していますか?

「こんなの常識だよ」、「普通はこうするじゃん」と片付けずに、いちいち丁寧に、その派遣社員さんに向き合い、丁寧に教育されていらっしゃいますか?

「高い金を払っているから教えなくてよい」

「高い時給を貰っているなら教えなくてもできるはず」

というのは全くの勘違いで思い違い。

「派遣社員が使えない=仕事ができない」というケースも純前足る事実として存在します。

しかし、それと同じくらい、

「派遣社員を上手に使えていない=正しい人選、日々の指示・管理ができない」という使用者側の問題も存在することをご理解頂きたいと存じます。

派遣が使えないの半分は、

「派遣を使えていない」

という意味もあると私は考えます。

2.派遣が使えない原因その①は入口

さて、派遣が使えない理由を謙虚に「使う側の問題でもある」と前提にして、その原因を探っていきましょう。

まずは入り口。自社で「使えない」と思ってしまう様な方を入れてしまった経緯は何でしょうか?

前述のとおり、「高いコスト=高い能力」という勘違いしてしまっていたとしても、そのような方を入れることができなかったのは一体どこに問題があったのでしょう?

これは単純に人選時の確認ミスや漏れからくるミスマッチであると言ってよいでしょう。

もしも派遣社員の人選を派遣会社に一任しており、紹介から勤務開始まで一切口を挟んでいなかったいう場合には「派遣会社のせいだ!」と断じても良いかと思います。

しかし、そんなことはないでしょう。
今どきの派遣会社はお客様の意見や判断を重視しますし、派遣を使う側だって略歴書を見たり、顔合わせをして実際に話をしたり人選に大いに関わっているはずです。

ここで確認です。派遣を頼む際、

・派遣社員に任せる仕事を精査し、そこで求められるスキルをしっかり定義して派遣先に伝えましたか?

・自社の風土を正確に把握し、職場で求められるスタンスや態度等についてもしっかりと派遣会社や派遣社員さんに伝えましたか?

フィーリングや相性はもちろん大切です。しかしそれは明文化出来る事、しっかりと言葉で定義できる事を徹底的に確認をした上でのことです。しっかりした準備でできる確認もなしに、「いい人」なんてあいまいな定義で人選を派遣会社に任せていてはミスマッチだって起こります。

大切はことは入り口対策。自社で社員やパートを雇う時の様に、いや、派遣の場合、コストがかかる分それ以上に慎重に、人選にこだわる必要があります。

※派遣では本来事前の面接が禁じられておりますが、派遣先、派遣社員双方の安心とメリットの為に「見学」、「顔合わせ」が行われているのが実態です。

それは「金額に見合った方を」というこだわりではなく、あくまで「自社の業務と雰囲気に合った方と」というこだわりを持って積極的に人選に関わっていく。

当たり前の事ではありますが、これが派遣を使えるようになるための入口対策です。

3.派遣が使えない原因その②は信頼関係

さて、次は人選にもしっかり関わったのに、派遣社員さんが「期待通りの働きをしてくれない=使えない」となる場合の原因について。

まず、仕事で期待通りのパフォーマンスを発揮してくれない場合、その原因をしっかりと確認しましょう。「何をどこまで、どのように行う仕事」の中で、いったい「何がどう、どの程度できていないのか?」を掴むという事です。

「そんなことはもうやっているが、何度言ってもダメなんだ」という声も聞こえてきそうですが、この場合、一方的な問い詰めでコミュニケーションが断絶してしまっており本当の原因にたどり着くことができないということが実に多いのです。

コミュニケーションが断絶していると何が起こるか?心を塞いでしまうわけですから、会話が成り立たなくなります。これでは指示内容や、確認しようと思っていることが相手に伝わるわけがありません。

心を塞いでそもそも聞こうと思っていない、また頑張って話を聞こうと思っていても、「だーかーらー、前も言ったけど・・・」なん説教口調で詰められたら怖くて心を塞いで当然。

早く話が終わってほしいから、言っている意味が分からないのに適当に「はい・・・」なんて返事をされてしまう。結果、問題解決等なされるはずもなく、同じことの繰り返しになってしまう。

これって派遣社員だけの問題ではないと思いませんか?

怒らず、焦らず、時間をかけて丁寧に聞いてみる事が何より重要。そして日々のコミュニケーションをしっかりとることです。

コミュニケーションが断絶していると信頼関係が構築されずに、仕事に差し支えがある本当の理由の追求ができなくなります。

例えば仕事ができない原因が、社内の誰かのせいであるという場合。(教えてくれない、放置する、指示がめちゃくちゃ等)原因の追究が犯人探しになってしまう事もあり、言う側も慎重になります。人間、話しやすい相手にしか嫌なことは言えないもの。コミュニケーション不足で信頼関係が構築されていない人間に本当の事など言えないわけで、結局問題を一人で呑み込み、真の原因は分からずじまい。

この問題、実は大変根深く派遣社員に「使えない」というレッテルを張ったあげく、真の原因は闇の中」となり、いつかまた別の形で問題を発生させる火種を放置することにつながってしまうのです。

少し話は変わってしまいましたが、「派遣が使えない理由」のその②はコミュニケーション不足による信頼関係の薄さです。

「使えない」とレッテルを貼る前に、自分が「使えている証明の為」にもしっかりと問題があると思われる派遣社員と向き合い、厚い信頼関係の元に真の問題点を追及していきましょう。

十分な対策の上、派遣社員側に問題があると判断した場合には、新たな仕事を振るなり、派遣会社ん相談するなりしましょう。

※普段職場にはいない派遣会社には何でも話せる派遣社員は多いものです。派遣会社と問題を共有することも大変有効です。

とにかく大切なことは、何も自省しない段階で「この派遣社員は使えない」と断じないことです。これを直さないと、派遣に限らず、どこから誰が来ても同じ。

大手派遣会社から来たのに使えない

大手から中途退職してきたのに使えない

パートだから適当に働いているのでは?

このようなことにならない様、人材採用と教育における自省は日々癖づけておきたいものです。

4.派遣を上手に使う会社

「派遣社員は使えない」と自省もせずに一方的に「使えない」レッテルを張る企業がある一方で、問題に真摯に向き合時、実に上手に派遣を利用している企業も存在ます。

当社のお客様の中では、自社で求められる人材像を明確に定義した上で人選に積極的に関わることはもちろん、月に一度は派遣社員を含む従業員全員と面談を行っています。

いきなり「面談」と言ってもあけすけに何もかも話してくれるということはありません。この企業では、この月一面談を実に5年以上にわたり繰り返しており、結果、「この場では、責められない。何を話しても良いのだ」という風土を生み出しているのです。

何でも話せる場だから、問題点がすぐにわかる。

何でも話せる場だから、注意も指導も素直に聞き入れることができる。

もちろんこの会社とて問題は起きます。しかしそこからのリカバーが早い。

残念ながら派遣社員側に問題がある時もあり、「契約終了」となる場合もあります。

しかしそんなときでも、入口から人選に深くかかわり、日々の指導の徹底はもちろん、月一の面談まで行って頂いておりますので、残念な結果であったとしても、当社も派遣スタッフも素直に結果を受入れて納得の上で気持ちよく派遣を終了することができます。

その結果をお客様も当社も次回の人選に活かす。派遣社員さんは自分の非を次の職場で改めていくことができる、いわゆる「Win Win Win」の関係を気づけているわけです。

これが「派遣を使えている」、いや、「使いこなしている」という一つの例です。

「派遣が使えない」という問題を一口にどちらのせいであると断じることはできません。大切なことはこの問題との向き合い方です。

派遣という前提でお話をしてきましたが、これはパートや社員等についても同じことが言える問題です。問題と人に真摯に向き合う事。これこそが今後の人材戦略の核であると私は考えます。

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