どこまで伝える?派遣の依頼②職場環境変編

自社が求めている人材にピッタリとマッチする人を派遣してもらうために、派遣会社に「どこまで何を伝える?」というコラムの第二弾。

今回は、求めるスキルや仕事内容などよりも場合によっては大切な、

「職場環境」

にフォーカスしてお話をさせていただきます。

勤務のリアルなイメージづくりに役立つ、職場環境の情報提供は、実際に勤務をする派遣スタッフに対してはもちろん、派遣会社に対しての絶好のPRポイントとなります。

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どこまで伝える?派遣の依頼①仕事の内容編

人材派遣の依頼に必要な5つのポイント

1.インフラの情報提供

まずは「インフラ」、つまり勤務地の施設の情報について派遣会社に伝える準備を行いましょう。

勤務地のインフラは「仕事場」と「福利厚生施設」の2つに分けるとわかりやすくなります。それぞれの項目のおいて派遣会社に伝えるべき内容は以下の通りです。

≪仕事場についての情報≫

①広さ、大きさ
※「〇〇畳くらい」、「オフィスデスクが〇個くらい」等の目安があると尚伝わりやすくなります。

②従業員の数と密度

※①に併せて考えるとより職場をイメージしやすくなります。

③職場の気温や温度

※冷暖房の話においては、「女性職員が多いので、温度は女性に併せている」などの情報を添えるとモアベターです。外か内か?窓は開けたままか?等の情報も花粉症の方にとっては嬉しい情報ですね。

④匂いや騒音はないか?

※工場系のお仕事の場合には、職場に漂う臭いや音のチェックも重要です。アレルギー体質の方や騒音に慣れていない方にとっては耐え難い条件のはずです。

まずはここで一旦ブレイク。職場のインフラはもともと存在するものですから、それをチェックすること自体は難しくはありません。

但し、わかりきっていることを派遣会社に伝えるためにまとめるのは面倒です。そう、面倒なんです。それはよ~くわかるのですが、まだ職場を知らない派遣スタッフにとってこれほど重要な情報はありません。どんな職場なのか?知りたいですし、イメージしたいですよね?

また、派遣を使う側にとっても、変えようのないインフラレベルで起こるミスマッチは避けるべきです。例えば、前述の臭いや騒音等については、単に好みの問題ではなく「可能・不可能」というレベルの問題ですから選考の前段階で判断できますからね。

繰り返しになりますが、面倒でも難しくはない作業ですので派遣スタッフと自社との相性を図る上での第一歩として必ず確認しておくべきことが必要です。

≪その他施設についての情報≫

続いては、職場以外の会社施設について、提供しておくべき情報を列挙します。

①休憩室

※休憩室はあるか?また単にスペースのみならず、「自動販売機」、「ポット」、「レンジ」の有無についての情報もあると尚良いでしょう。

②更衣室・ロッカーの有無

③駐車場

※有無に加えて、離れた場所に駐車場がある場合には、距離についても言及すると良いでしょう。

④喫煙環境

※分煙環境か否か?また煙草を吸う方はどこで吸っているかという情報は、喫煙者・非喫煙者共に知りたい情報の一つです。

≪仕事場についての情報≫と比べ、ややソフトな印象を受けますが、重要度は変わりません。

仕事をするという事は、少なくない時間をその場所で過ごすことになるわけで、生活の場に何があるのかという情報は誰もが知りたい情報であるはずです。

もちろんロッカーがないからと言って仕事を辞退する様な方は少数派ですし、これらの情報は採否に繋がるレベルの問題ではないかもしれません。

しかし実はこれら不可欠とは思われない情報の提供こそが、派遣会社並びに、派遣スタッフの印象を大きく左右することになり、ひいては派遣会社からの提案の質や量にもつながってくるのです。

派遣依頼時に派遣会社に伝えておくべき「環境についての情報」について、次章からはその意味と効果について解説をしていきます。

 

2.伝える姿勢が誠実さを生む

優良案件の特徴

派遣スタッフに極めて紹介しやすく、「引き受けてくれる可能性が高い仕事」は

「条件が良い職場=時給が高く、働きやすい勤務時間」

「働きやすい環境が整った職場」は、

上記の要素を含んでいることがほとんど。時給については「高ければ高いほど慎重になる方が多い」一方で、職場環境については必要以上に慎重になることもなく、単に受けが良いため「かなり強い」といってよいでしょう。

しかし、自社の「環境の良さ」に気付かない、またはその価値を理解できておらず、しっかりと伝えていないという何とももったいないことが多々見受けられます。

「うちは時給が低いから、いくら環境が良くたって・・・」と勝手に判断せずに「職場環境の良さ=強い」を意識して、一度自社の環境を見直し、派遣会社に伝える努力を心掛けましょう。言わなければ何にも、誰にも伝わりません。

伝える姿勢は誠実さに変わる

「うちは小さくて古い会社だから、自慢できるものなんて何もないよ」

とあきらめてはいけません。広くて清潔なオフィス、お洒落でリラックスできる休憩室等、立派なインフラを備えた、人に自慢できる職場等、実はごくわずかしかないものです。

ではどうするか?何を伝えるべきなのか?

大切なことは、

「新しくここで働く人が、これ、どうなっているか心配だろうな」

「派遣スタッフさんは、こんなこと知りたいんじゃないかな?」

という気持ちを根底に持って、飾らず、しっかりありのままの自社の環境の情報をまとめ、派遣会社に伝える事です。

当社のお客様からいくつか例をご紹介します。

①休憩室はなし。皆車で食事&休憩

②昼休みにはポットには列ができるので、カップラーメン以外がお勧め

③事務所は寒いので、ひざ掛けやブランケット必須。

いずれも「プラス材料」とはいいがたい情報ばかりですが、先にこれを伝えておくことで、派遣スタッフ側でも対処ができますし、何よりも、

新しく働く人材の為に、自社のマイナス点をしっかり伝えてくれている

という誠実さが伝わってきます。

上記の①~③は実際を聞いた派遣スタッフの多くは、「正直で誠実」という印象を派遣先はもちろん、ありがたいことに私達(派遣会社)に対しても抱いてくれました。

物のきれいさや豊かさの問題ではありません。大切なことは、新しく働く人材に思いを馳せ、自社の環境をしっかり正確に伝えることなのです。

 

3.誠実さと熱量が多くの提案に

さて、派遣スタッフへの思いやり溢れる情報の提供は派遣会社にもしっかり伝わるという事も実は大変重要な事実です。

もしこれを読んでいるあなたが、派遣会社の営業担当だったとして、自社に派遣を依頼してくる企業が、

A:ざっくりした情報提供しかしないきれいな大企業

B:細かい情報を丁寧に提供してくる、中小企業

だったら、

・どちらに「人を派遣したい」と思いますか?

・どちらが派遣スタッフを大切にしてくれそうですか?

派遣会社が依頼元である企業をチェックする重要なポイントここにあります。面倒な環境チェックの手間と報告を負ってくれるかどうかが、人材を求める熱量を測るバロメーターであり、手間を押します、細かい情報提供をしてくれる依頼主こそ、派遣会社としては「大切にしたいお客様」というわけです。

熱量は、派遣スタッフさんへの優しさ、新しく働く人材への誠実さに他なりません。それが派遣会社から認められれば(偉そうな書き方で申し訳ございません)、より良い人材の提案を派遣会社から受けることが可能となります。

もちろん派遣スタッフからの安定勤務や入社後の活躍に繋がることは言うまでもありません。

まとめです。

今回は、派遣依頼の際に派遣会社に伝えるべき情報として、今回は「職場環境」にフォーカスしてお話してまいりました。

さっさと人を派遣してもらいたいなか、面倒ではありますが、誰でもできる内容であればこそ、人を求める熱量が図られます。誠実な思いをもって新規で自社に来る人材を向き合う誠実さこそが、自社により最適な人材を提案してもらうための、強力なツールであるというからくりをご理解いただけると幸甚です。

ABOUTこの記事をかいた人

1974年7月3日生まれ、中央大学文学部英米文学科卒。千葉県内でパート専門の人材派遣を展開するワークパワー株式会社の営業兼、代表取締役。一児(娘)の父。趣味は旧車バイク乗り・いじり、ドラム、食べ歩き。