どこまで伝える?派遣の依頼①仕事の内容編

派遣の依頼①業務内容

自社が求めている人材にピッタリとマッチする人を派遣してもらうには、「こんな人を派遣して欲しい」というリクエストはもちろんですが、「担当業務の内容」、「時間・曜日等の条件」、「職場のルールや環境」等々、人選に必要な様々な情報を派遣会社に提供する必要があります。

今回のコラムでは、依頼の際に派遣会社に伝えるべき大切な情報の一つである、

「仕事の内容=派遣スタッフが担当する業務」

の伝え方についてお話します。

一見面倒くさそうですが、思いの他手もかからず、今後の派遣の利用においても役に立ちますので、是非ともご一読の上、実行なさってみてください。

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1.職種名だけでは伝わらない

派遣の依頼は、職種名だけでは伝わりません。というお話をすると、

「事務って言えばわかるんじゃないの?」

「データ入力はデータ入力でしょ?それ以上何かある?」

多くの場合、上記の様な回答が返ってきます。しかし事務もデータ入力もところ変わればで、会社によりその業務の内容は千差万別。特に「事務」という言葉に含まれる業務は実に広範であるため、内容をしっかり確認しておかないと、頼む側と仕事をする側との間で思い違いが発生してしまいます。

「事務仕事の一環」として頼んだ仕事も、人によっては「それは事務の仕事ではない」となりがち。例えば、来客対応や接茶。「これって接客の仕事で私の仕事ではありません」なんてことになれば、お先は見えています。

一見単純そうな仕事である場合こそ、また自分が慣れ親しんだ仕事である場合こそ注意が必要。

派遣スタッフの不安を払しょくし、安心して力を発揮してもらうためにも、「仕事内容=職種名」という考えを捨て、しっかりと業務内容の棚卸を行っておきましょう。

2.業務内容の棚卸のやり方

派遣スタッフに担当してもらう予定のお仕事を細かく洗い出す「棚卸」は、

①「何をどうする」仕事なのか?

②「どこまで」、「いつまでに」やるのか?

③「どのように」行うのか?

といった切り口で、難しく考えずに仕事の内容や進め方をドンドン書き連ねていくだけです。

まずは量を吐き出して、その後に整理するというやり方がベストかと思われます。

次に、それぞれの項目のポイントについて解説します。

①「何をどうする」仕事なのか?

仕事の対象物(何)に対して、どんな事を行うのか?を明確にします。

仕事の概要を表現する最も重要なポイントであるとともに、手を抜けば「業務内容=職種名」とほぼ変わらない内容になってしまいますので、丁寧に行っていきましょう。

例えば、レストランのホールのお仕事を例にとると以下の様になります。

①お客様をお迎えしてお席に案内し、

②お冷とメニューを出して、注文を取り、

③お料理を運んで、

④お会計をして、お見送りをして、

⑤テーブルを片づけて、①に戻る

「そんなの当り前じゃないか?」と言われそうですが、その考え方が業務の内容を職種名で片づけてしまう流れに繋がってしまいます。

レストランホールの経験者ならともかく、未経験者なら上記の流れを知らない方も多いはず。またお店によって「お店でのお会計がない(ホテル等)」、「お見送りがない」、「お席への案内がない」等ルールも異なるはずです。

上記を当たり前と考えていると、「そんなの聞いていない」、「前のお店ではやらなかった」という不満が、派遣スタッフの勤務開始後に爆発する可能性がありますので、注意が必要です。

②「どこまで」、「いつまでに」やるのか?

その仕事を「どこまでやるのか?」をハッキリさせることは、

・担当業務がハッキリする

・責任分界点が明確になる

という2点において大変重要なポイントです。

派遣スタッフという立場で仕事をする上で、「自分がどこまでやっていいものか」と迷うスタッフは少なくなく、「ここまではやらなくてよい」というボーダーがハッキリしていることで、安心してお仕事ができます。

線引きをハッキリさせることは、「これはやらなくていいんだ」という消極的な印象もありますが、業務の境界線をしっかりと引き担当業務が明確にすることで、責任分界点をハッキリさせ、効率的な人員配置の実現にもつなげていくことが可能となります。

「いつまでに」については、業務にノルマや目標値がある場合はもちろんですが、それらがなくても大体の業務量が分かっている場合には、事前にお伝えすることをお勧めします。

数に腰が引けてしまう方はそもそも必要ありませんし、また「そんなもんかぁ」と考えてくれる頼りになる派遣スタッフの引当のきっかけにもなります。

③「どのように」行うのか?

ポイント解説の最後はその仕事を「どのように行うのか?」という点について。

ここでは、仕事の流れや具体的な作業のやり方を、仕事が想像できるようにまとめることが重要で、最も難しい部分かと思われますので、実際に派遣スタッフに仕事を指示する「指揮命令者様」と一緒に行う事をおススメします。

また、大きなポイントとして以下2点を必ず追加してください。

・共に働く方々の情報(人数、性別、年齢)

・困った時に、わからない時にはどうしたらよいのか?

仕事はチームで行うもの。仕事のやり方について説明をするのであれば、共に仕事を行うチームについて言及するのは当然です。また、お困りごとが発生しやすい新人(派遣でなくても)さんをチームに加えるのであれば、新人を加えてどのようにチームで仕事を行うのかという点についての配慮があって然りです。

勤務を検討する派遣スタッフの背中を押すことにもつながる重要な「推しポイント」にもなりますので、是非ともご一考下さい。

3.業務棚卸の例

≪棚卸の例:データ入力の場合≫

お客様から送付されてきた「申し込み書」に記載された氏名、住所、連絡先の情報を顧客データベースの入力フォームに従って入力する。

住所等は途中まで入力すれば入力候補が表示されるため、全てを入力する必要はなし。その他画面の下には購入履歴などの顧客情報が表示されるが、全てTABキーで飛ばして「登録ボタン」を押せば終了。

また入力後は、入力した情報をプリントアウトし、別の担当と一緒に入力内容のチェックを行う。

仕事は上記の繰り返しとなる。その他の業務は特にないが繁忙時には電話の対応もお願いしたい。その際は基本取次のみでOK。

尚、申込書は日に300件程度届く。締め切りなどは特にないため急ぎではないが、1日に最低100件程度こなしてほしい。1件の入力時間は慣れている方で30秒程。タッチタイピングができる方であれば、1分あれば問題なく入力はできるはず。

同様の仕事を行う人員は派遣スタッフも含めて3名(全員女性、30~40代)。勤務開始後は業務に慣れた社員が指導と管理等を行う。事務所に一人になることはなく、不明点や質問等は必ず聞ける社員が在籍している。

≪棚卸例 終了≫

いかがでしょうか?書いてみれば、当たり前の事を並べただけ。「面倒だな」とは感じても、難しいと感じた方はいないと考えます。これだけでも、「データ入力」の一言で片づけるよりは、仕事のイメージも湧きやすいと思いませんか?

仕事のイメージが湧きやすくなれば、派遣会社の人選の精度も上がりますし、何より勤務を検討する派遣スタッフも安心してお仕事に手を上げやすくなります。

4.棚卸は誰がやる?

業務の棚卸について、最後に1点注意事項をお伝えします。

派遣依頼の為の棚卸は、「業務に精通している方」を必ず参加させてください。

派遣会社に依頼をされる方が現場の仕事に精通していない場合や、また支店で人材派遣の利用を検討している本社人事部の方が現場を無視して棚卸を行うと、勝手な想像で棚卸を行ってしまい、まったく現実のお仕事を反映していない、架空のお仕事が出来上がってしまいます。

「一般事務」での派遣を検討し、自社の事務業務の棚卸を行うには、担当さんに確認するのが一番なのです。しかし何故かこのステップを省略し、ネットで一般的な「一般事務」の仕事内容をチェックし、それを棚卸とされた事が当社あります。現実から乖離しているどころか、完全な架空の仕事になっているわけですから結果はお話しするまでもないでしょう。

5.派遣会社への伝え方

さて、上記の流れで棚卸が済んだらその内容を派遣会社に伝えていきましょう。

方法は、口頭やメール等なんでもOK。固く考える必要はありません。

個人的には、打ち合わせや電話でお話しながら確認していく方法が好みです。整然と整理された書類やメールで頂く事もあるのですが、打ち合わせの場で派遣スタッフの仕事内容についてキャッチボールをしていくと、お互いの理解が深まる他、気が付かなかった点、新しい発見もあり、大変有意義な場となることが多いんですね。

また派遣先(お客様)はここまで大変なご苦労の末、業務内容の棚卸を行ってくださっているので、情報の整理をお手伝いしたいという気持ちもあります。

とにかく方法は不問ですので、せっかく苦労して吐き出し情報をしっかり伝わる方法で派遣会社にお伝えください。

 

いかがでしたでしょうか?今回のコラムでは、派遣依頼の際に派遣派遣会社に伝えるべき大切な情報の一つである、

「仕事の内容=派遣スタッフが担当する業務」

の伝え方について、「業務内容の棚卸」を軸にお話してまいりました。

面倒な作業ですが、一度行えっておけば、急ぎで派遣会社に依頼をかけたい時や、複数の派遣会社に同時に依頼を際にも役立ちまし、さらに(これが一番重要なのですが)

自社での採用活動に役立てることが可能となります。

派遣の依頼のためだけではなく、ご自社で求人をかけるとき、面接をするときの重要な資料となりえますので、お手数ですがよろしくご準備の程、お願い申し上げます。

ABOUTこの記事をかいた人

1974年7月3日生まれ、中央大学文学部英米文学科卒。千葉県内で女性専門、パート中心の人材派遣を展開するワークパワー株式会社の営業兼、代表取締役。一児(娘)の父。趣味は旧車バイク乗り・いじり、ドラム、食べ歩き。