失敗する人材派遣の頼み方

失敗する派遣の頼み方

人材派遣を使って、「期待通りの人材が来なかった」という経験はありませんか?

理由はいくつか考えられますが、その原因は、

派遣の頼み方に問題があることがほとんど

人手不足でどんなに急いでいる場合にも、いえ、急いでいるからこそ、人材派遣の依頼は丁寧に、慎重に行う必要があります。

そこで今回のコラムでは、
「失敗する人材派遣の頼み方」と題し、

派遣の利用で期待通りの人材を紹介してもらえないケースに多い、「良くない派遣の頼み方」について、ベースにランキング方式でご紹介します。

本音を言えば、派遣会社がお客様をしっかりリードしていれば、派遣の依頼ミスなど起きないのですが、残念ながらそれが出来ていないケースをあまりに多く目にします。

派遣の利用を検討されるお客様にはご面倒をおかけいたしますが、本コラムを参考にしていただき、派遣会社のリードがなくても、正しい依頼方法で期待通りの人材を紹介してもらえるよう、ポイントしっかり抑えていただきたいと存じます。

1位:職種を伝えておしまい

例えば、事務スタッフの派遣を依頼する際、派遣会社に

「事務員さんを出して下さい」と派遣会社に伝えておしまい

という依頼の仕方。
「事務」という職種名に含まれる様々な要素は説明せずとも相手に伝わるとという前提の元に行われる、派遣依頼においてよくある、もっとも間違った頼み方です。

職種名だけを伝えるというのは極論かもしれませんが、程度の差はあれど、何を取り扱うどんな仕事で、誰に(何)に対して、どこまでどうすればよいのか?

というしっかりとした説明がなければ同じことです。

仕事の内容が漠然としていれば、派遣スタッフに求めるスキルもぼやけて当然。

「事務経験があればよい」といえば簡単ですが、
→どこで、どんな事務をどのくらいの期間経験しているのかの確認はなし。

「パソコンが出来ればよい」といいますが、
→どんなソフトをどの程度使えていれば良いという確認もなし。

仕事の詳細も伝えず、求めるスキルさえもお互いの頭の中での想像レベル。これでは期待する人材など来るはずもなく、ミスマッチは起こるべくして起きた必然と言わざるを得ません。

また期待通りの人材が紹介された場合にも、

「こんな仕事やるなんて聞いてません」と派遣スタッフからのクレームや最悪は退職につながることも十分考えられます。

「事務職」を例に引きましたが、これは例えば、「軽作業」でも、「接客」でも「介護」でも皆同じです。

汎用性の高い職種であればあるほど、ところかわれば仕事のやり方も変わります。

派遣の依頼は「職種名」で片づけず、そこに含まれる担当業務の詳細や求めらえる経験・スキルについても明確にして、派遣会社にしっかり伝える様にしてください。

2位:勤務条件の設定が甘い

勤務時間を例にとれば、「とりあえず、9時からでいいです」、

日数、曜日を例にすれば「とりあえず平日で週5日」等々。

各種の条件設定において「とりあえず」は厳禁。後から変更できると簡単に思わず、派遣スタッフに求める条件についてはある程度カッチリ決めて、派遣会社に伝える必要があります。

とあるサービス業のお客様からうかがったのですが、

「とりあえず平日のみで頼んだら、いざって時の土日に出てもらえないんだよね。いやぁ~派遣は使えなくて困るわ~」

これは派遣が使えないということになるのでしょうか?

「9時~15時までっていったけど、それはざっくり伝えただけで、残業してもらえないのはきついよね」

これも悪いのは派遣スタッフさんなのでしょうか?

いわずもがな、これらの問題は自らの条件設定が中途半端のままで、人材派遣の依頼をかけた自分の責任です。

勤務時間や曜日のシフト以外にも、派遣期間や勤務場所、通勤方法等、勤務条件の設定は事前に準備ができるはずで、ここのズレでミスマッチを起こすのはあまりにもったいないと考えます。

派遣依頼時の条件設定については「とりあえず」は厳禁。

「そんなにキメキメでなくても良いのでは?」と自分で思えるほど、しっかりと明確に定め、派遣依頼時にお伝えすることを強くお勧めいたします。

繰り返しになりますが、このレベルでのミスマッチは本当にもったいない!!

3位:職場環境の情報を提供しない

見慣れた職場の情報を改めてまとめて誰かに伝えるのは、正直面倒くさいと思います。

しかし、外部の人間にとってはこの情報は極めて重要。特に求人においては、仕事の内容や条件よりも、職場の環境が最重要となることも多々あります。

人数、広さ、雰囲気、暑さ/寒さ、喫煙環境、休憩室・更衣室の有無、職員の年代等々・・・職場環境の情報については可能な限り詳細を派遣会社に伝えるよう努めてください。

派遣会社との打ち合わせの際に、「御覧の通りです」と説明なしにただ職場を眺めさせるだけではいけません。派遣会社の営業担当の感性に期待したいところですが、辞めておきましょう

≪当社の失敗談≫
かくいう私もこれに関しては失敗談があります。職場環境のチェックも完璧だと思ったのですが、顔合わせの際に職場に猫が現れ、猫嫌いのスタッフさんが走って逃げてしまった事があります・・・

今では笑い話ですが、これも事前に避けられたことと思うと悔やまれます。

4位:派遣会社と打ち合わせをしない

前述した仕事の内容や勤務条件、また職場の環境を直に派遣会社に伝え、詳細の確認が取れる場である打合せ自体を、「面倒」という理由でお断りされるお客様がいらっしゃいますが、これもいただけません。

「そんなこといいから早く出してよ」

→詳細の確認がなければ、直ぐに出せてもスグに辞める可能性があります。

「急いでるんだから、そんな暇ないよ」

→だからこそ、入ってすぐ「話が違う」というダメージは避けるべきです。

電話やFAX、メール等でも詳細を伝えることが出来るとは思うのですが、営業職の立場で感じるのは、やはり会って直接お話するのが一番。

互いに打ち解ければ顔を見ながらの会話でしか出てこない話題というのもあるものです。

時節柄、リモートでの対応でも構いません。派遣の発注時には、可能な限り「Face to Face」での打ち合わせを推奨します。

 

5位:顔合わせを省略する

顔合わせとは、派遣会社が提案するスタッフと実際に顔合わせて、職場の見学や仕事内容の確認、またご本人との相性を確認する場の事。

これを嫌うほとんどの理由は、打ち合わせの時と同様、「面倒」、「急いでいる」というもの。これを端折ってはいけない理由も、打ち合わせの時と同様で、

「急いでいるからこそ、外せない、間違いのない人材の確保に尽力すべき」

となります。

以上、今回のコラムでは、「良くない派遣の頼み方」をランキング方式でご紹介いたしました。

もちろん、既に派遣をご利用されているお客様の中には「ツーカー」で通じる派遣会社とお取引がある企業様もいらっしゃると思います。

また忙しい中、「こんな面倒なことを・・・」とお考えになる企業様も当然いらっしゃると考えます。

繰り返しますが、急いでいる時こそ人選は丁寧に、慎重に行う必要があります。それは、自社での採用はもちろん、採用をある意味で派遣会社に代行させる場合も同様です。

結局は自社の指揮命令下に置く人材です。選定を派遣会社任せにせず、自らもしっかりと選考に注力することを強くお勧めします。

「あの派遣会社に頼んでも、いい人が来ないんだよなぁ~」

という原因の半分は実は自社にあることも多いにあるのです。

ABOUTこの記事をかいた人

1974年7月3日生まれ、中央大学文学部英米文学科卒。千葉県内でパート専門の人材派遣を展開するワークパワー株式会社の営業兼、代表取締役。一児(娘)の父。趣味は旧車バイク乗り・いじり、ドラム、食べ歩き。