従業員10名程度の創業30年の老舗商社。現在同社は先代社長が会長職に退き、息子である二代目が社長を務めている。
二代目は同社勤続10年。会長は長い時間をかけて事業継承を行ってきたつもりであったが・・・
たたき上げで会社を育ててきた会長と、新たなビジネスモデルの確立に燃える二代目社長の「会社を盛り立てる」という根底の意識は同じであるのだが、手法や価値観について相容れない部分が多いらしく、怒鳴りあうこともしばしば。最近では口を開けば互いの文句を言い合う状態に。
これに巻き込まれてしまっているのが他の従業員。社内での怒鳴りあいにすら辟易しているのに、ここにきて八つ当たりもひどくなっている様子。ちょっとしたミスでも当り散らされ、失念した従業員は退職する一方。最終的には、社員の数が半減してしまい、会長と二代目以外の3名はパートスタッフのみという最悪の状態に。
人が退職していくたびに自らの業務が増えていく最後の事務担当のパートスタッフさんが退職を持ちかけた時点で、事態の深刻さに気がついた会長より弊社に相談の連絡があり。
会長と二代目との問題もさることながら、頭目の問題はパートスタッフさんの退職。事務部門をひとりでになっているこのスタッフさんは5日以内の退職を頑として譲らず。運よく即対応できるスタッフを確保するも、引継ぎの期間はわずか4日間。この4日間をどのように回していくかについてのうちあわせを、会長、弊社担当、弊社スタッフ、退職予定スタッフの4名で検討することに。退職予定のスタッフは「5日でやめられるなら」という前提条件つきで、まず真っ先にやらなければならない月末の業務についてその方法を引き継ぎしてくれたため、内容の理解はともかく、まずは方法のみを吸収することに専念。
また週間・月間の業務フローと締め切り、使用する帳票類等についても引継ぎをして頂き、4日間は終了となる。結果的に共に「業務本番」を経験する事無く、弊社スタッフが全ての業務を担当することとなったが、同様の業界での事務経験が功を奏し、使用するシステム等については免疫があったことから、頭目の問題点であった月末の業務を無事に処理。また週間・月間の各業務についても存在している帳票類から全て業務を逆算して対応することで、全ての業務を(理解は別にして)遅滞なく完了することができた。
会長からは「後任スタッフが見つかったので」という理由から、派遣期間は1ヶ月で終了となるはずであったが、後任スタッフへの引継ぎや、同じことが起きたときのためにということでマニュアル作成期間として、追加でもう1ヶ月の派遣を提案する。
また、大変僭越ではあったが、今回のようなことが二度とないよう、社員の退職の現状とその理由について向き合って頂くよう依頼。本来はかかるはずではなかったコストとなったが、業務のマニュアル化と、社内で起きている現状と問題点をしっかりと把握して頂く良い機会になったのではないかと考える。